2022年1月、着ていた服に火が燃え移り、火傷で死亡するという痛ましい火災事故が報じられました。
私は全く知らなかったのですが、年間約100人もの方がこの「着衣着火」の火災事故で亡くなっているそうです。
着衣着火による死亡事故で最も多い事例が、焚火やキャンプファイアー。
そして2番目に多い事例が、調理中にコンロの火が衣服や袖口に燃え移る着衣着火です。
家の中でも起こりえる事故です。
そんなおそろしい着衣着火の火災事故について、調べてみました。
この記事では、
1.調理中の着衣着火の火災事故の事例(高齢者に多い)
2.着衣着火を防止する対策
3.着衣着火しやすい衣類
4.万一、着衣着火してしまったときの対処方法
についての情報をお伝えします。
高齢者に多い調理中の着衣着火
調理中の事故は、特に高齢者に多いそうです。
自分自身が気を付けることはもちろんですが、高齢の親御さんがいる方は、注意して安全対策をしてあげてみてください。
名古屋市消防局が作った動画が、着衣着火の火災事故の事例について、わかりやすく解説しています。
着衣着火の事例で多いのが、次の3つ。
1.火をつけたまま鍋を動かして、袖口に火が燃え移る。
2.ガスコンロに近づきすぎて、お腹の部分に火が燃え移る。
3.ガスコンロに背を向けてもたれかかり、背中の部分に火が燃え移る。
どれもおそろしい事故ですね。
特に高齢者は、ガスの青い炎が見えにくく、袖口をコンロの火で焦がしてしまうことが多いそうです。
服を焦がすくらいならまだ良いですが、一歩間違えたら大変なことになりかねません。
厚手の服を着こむことが多い冬の時期は要注意です。
また、ガスコンロに火をかけている状態で、ガスコンロの汚れを掃除するのも大変危険な行為です。
ガスコンロでの着衣着火の事故を防ぐために、是非とも対策をたてておきたいものです。
着衣着火を防止する対策
着衣着火の火災事故を防止するための対策には次のようなものがあります。
調理中の鍋を動かすときは火を止める。
袖口に火が燃え移らないように、鍋を動かす前には必ず火をとめましょう。
調理の際はマフラー、ストールをはずす。裾や袖口が広がっている服は避ける。
外出から帰ってすぐ、マフラーやストールをしたまま、ガスコンロで調理するのは危険です。
裾や袖口が広がった服装で調理をしないようにしましょう。
防災エプロンや防災アームカバーを利用する。
日本防炎協会の認定を受けた防炎エプロンやアームカバー、割烹着があるので、それらを利用すると良いでしょう。
高齢者へのプレゼントにもおすすめです。
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割烹着タイプだと、アームカバーとエプロンが一体になっているので便利ですね。
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ガスコンロの周りにモノを置かない。
レンジフードにS字フックなどで、おたまやフライ返しをかけるのは危険です。
取ろうと手を伸ばしたときに服に火が燃え移る危険があります。
ガスコンロの周りにモノを置かないようにして、手を伸ばさなくて良いようにしておきましょう。
ガスコンロに近づきすぎない。
ガスコンロ越しに家族とやり取りしたり、ガスコンロに背を向けてもたれかかるのは非常に危険です。
また、ガスコンロの火に限らず、仏壇のろうそく、石油ストーブなどの火にも不注意に近づかないようにしましょう。
着衣着火してしまった時の対処方法
万が一、着衣着火してしまった時の対処方法を教えるアメリカの子供向けの動画があります。
1.立ち止まる(走り回らない)。
2.床に伏せる。(お腹に火が付いたらお腹を床に。背中に火が付いたら背中を床に)
3.手で顔をおおう。
4.床に何度も転がって、火を消す。
子供向けの動画ですが、一度見ておくと、対処方法がイメージしやすいのでおすすめです。
まとめ
着衣着火による火災事故は、近年、増加傾向にあるそうです。
特に、高齢者には注意してあげたいものです。
いきなり、IHコンロに変えることはできなくても、小さなことでも対策はできるので、できることから対策していこうと思います。