長襦袢が着れたら、訪問着を着つけていきます。
フォーマルシーンで着る訪問着は、シワやダブつきがでないよう、丁寧に着つけていきます。
着物を羽織る
- 背中の衿の中心のスナップボタンをとめる。
- 着物を羽織る。
- 片手づつ長襦袢の袖をつかみ、着物の袖に通しながら、途中で長襦袢を離す。
- 着物と長襦袢の袖をなじませる。
後ろ衿あわせ
- 掛け衿の縫い目の位置で、両衿を半分に内側に折る。
- 1.をつかんだまま、両手を背中で左右に開き、パンと引っ張り、衿を一直線に伸ばす。
- 着物の衿を、そのまま静かに長襦袢の半衿に添わせる。
- 掛け衿の縫い目を前であわせて左手で持ち、左手を身体の真ん中(鼻下の位置)におき、背中心を決める。
- 半衿と着物の衿がズレないように、片手でクリップを持ち、妄り耳の下で半衿と着物の衿が同じ高さになるようクリップで固定する。
- 同様に、右耳の下にもクリップをはさみ、半衿と着物の衿を固定させる。
- 衣紋の抜き加減を最終調整。両手を着物の下から背中に回し、長襦袢の背中の紐の下の両脇を真下に引っ張りながら、両肩を後ろに何度も回す。
- 半衿の交差部分が90度になり、衣紋の抜き具合が45度になっていることを確認する。
裾あわせ
- 両腕をおろした位置で、両手で親指を上に向けて着物を持つ。
- 着物を上に大きくあげてから、裾を床スレスレの位置まで下ろしていく。後の裾は、足袋が完全に隠れる線まで下げる。(これ以降は、ずっと着物を床スレスレの位置に保ち続ける)
- 両手を前に伸ばし、お尻に着物のダブつきがないように、ピンと張る。
- 上前の端が左の脇線とちょうど左右対称の位置に来るよう、上前の位置を決める。訪問着の柄がちょうど真ん中にくる位置。上前の衽線は、右足の甲につく長さがベスト。(上前のベストポジション)
- 上前をベストポジションに保ったまま、右手の下前を斜め前にかるく引っ張り、着物にダブつきがないことを確認する。
- 左手の上前を静かに開けて(左の脇線の位置をズラさないように)、右手の下前を、床スレスレの位置で身体にあわせる。
- 下前の脇線が右のふくらはぎにピッタリそうように、右手先を床から15cmくらい上げて、裾すぼまりの形をつくる。
- 下前の衿の部分は、おへその線より上(腰紐より上)の位置にもっていっておく。
- 左手で上前をベストポジション(柄が真ん中、衽線が右足の甲につく長さ)に戻す。
- 右手で、おへその高さで着物をしっかり押さえる。
- 左手で腰紐の真ん中を持ち、右手に渡し、おへその高さで、両手で背中でクロスさせ、両脇でしめてから、少し前下がりにして、右腰のあたりで蝶々結びをする。(腰紐に、着物の袖やおはしょりを挟み込まないように注意)
- 蝶々結びの輪を大きくして、両方の輪を紐の下から2回からめる。
おはしょりの始末
- 両手を身八つ口から背中に入れ、背中のおはしょりを下におろす。
- 前見ごろもおはしょりをおろす。
- 左手を身八つ口に入れたまま、右衿を胸の高さでつかみ、右手で左衿を同じ高さでつかむ。
- 両衿を左右に引き、着物の布目をならす。衣紋がつまってしまうので、前に引くのは厳禁。(衿はきれいに折れていなくてOK)
- 手を15cmほど下にずらし、もう一度、両衿を左右に引き、布目をならす。
- 手をおはしょりの一番下までおろし、もう一度、左右に引き、布目をならす。
- おはしょりの部分が平らになっていることを確認する。
- 上前の位置がズレないように右手で上前の端をしっかり押さえながら、身八つ口に入っている左手で右衿の腰紐のすぐ上の部分をつかみ、下前をギュッと背中に引っ張り(上に引っ張るのは厳禁)、裾すぼまりの形をつくる。
- 左手を身八つ口に入れたまま、両手で下前の衿を折って整える。(上は半分、衿先は人差し指一本の幅が目安)
- 右手で、右衿のみぞおちとおへその中間の位置を、内側に折り返してつまむ。
- 右衿を好みの形に整え、右衿にタルみがないことを確認し、10.でつまんだ位置を起点に、身八つ口の中の左手で手刀を上に切って、おはしょりを上げていく。(一重あげ)
- 右衿の掛け衿下を左手に持ち変えて押さえ、右手で、下前のおはしょりを斜めにおろして平らにする。
衿あわせ
- 右手に持ち変え、右手で下前を押さえて、左手で上前の衿を折って整える。(首の真横で衿と半衿が同じ高さ、衿合わせで半衿の出し幅が人差し指の第一関節くらいが目安)
- 両衿が好みの形に決まっているか、最終確認する。
- 右手でみぞおちを押さえ、両衿をくずさないようにしながら、左手で仮紐をとる。
- アンダーバストより少し下の位置で仮紐を交差させ、両脇で左右にギュッと引っ張ってから、両手をグッと下げてから前に持って行き、上の紐の5cm下の位置で、中心を避けて蝶々結びにする。(背中の紐のX字を大きくとる)
- 蝶々結びの輪を最大に大きくして、両方の輪を紐の下から通す。
シワの始末
- 背中の紐のX字の中から、背中のシワを左右に引き出す。
- 背中心が斜めになっていないか、手で触るか鏡で見て確認して、紐の下で背中心をつかみ、背中心が真ん中でまっすぐになるよう、下に引っ張って調整する。
- 再度、1.の手順を繰り返す。
- 紐の上の脇に残ったシワは、両手の親指でタックをとり、脇で前見ごろの中に収めておく。
- 前の左右の脇の下のシワは、上の紐を引っ張って軽く浮かせて、上下の仮紐あいだにダブつきを収めて、スッキリさせる。
おはしょりの下線を揃える
- 上前のおはしょりのダブつき(主に左半分)を、上下の仮紐のあいだに布を引っ張り上げて、おはしょりの下線を一直線にする。
- 残ったおはしょりの右半分のシワは、紐のあいだで、右側に寄せ集めていき、平らに整える。
- 右脇で、前と後ろのおはしょりが合わさる部分のので、前のおはしょりと後ろのおはしょりの長さを揃える(下線だけ揃える)。
- 右手で下線を押さえたまま、後ろのおはしょりのダブつきを、紐と紐ののあいだに引っ張り上げる。上にも引き上げ、後ろにも引く。
- 右脇の縫い目で、後ろのおはしょりのダブつきをつまみ、タックをとり、上前に収める。このとき、下の紐を軽く持ち上げるとやりやすい。
- 左手で伊達締めの真ん中を持ち、背中心からまわして締めて、衿を固定させる。
- 帯板をあて、ベルトをする。