伝統的なお正月飾りを飾る人が少なくなってきていますが、正月飾りは、昔から、新年の幸運と繁栄を迎え入れるために飾られてきました。
「正月飾りって、何のため?」
「縁起物って何? どんな意味があるの?」
正月飾りや縁起物にはいろいろな種類がありますが、それぞれ意味があります。
正月飾りを飾るときは、その種類と意味を知っていると、古来から新年を寿いできた祖先の人たちの想いが伝わってきます。
お正月には縁起の良いお正月飾りを飾って、幸運と繁栄を呼び込みましょう。
この記事では、正月飾り・縁起物の種類と意味をまとめました。
正月飾りの種類と意味①門松
門松は、玄関前に飾るのが定番で、外から最も目につきやすい正月飾りです。
意味
お正月飾りの定番の門松。
門松は、歳神さまをお迎えする目印としての役割があります。
なぜ「松」なのかと言うと、日本では古来から松は神聖な木とされており、「神を待つ」という意味があります。
また、松は常緑樹で枯れないことから、生命力の象徴として縁起が良いとされています。
そのため、正月飾りの門松につかわれています。
門松を飾るには?
一軒家・店舗・事務所などの玄関の前に飾る本格的な門松は、園芸店・花屋さんなどに前もって注文しておくと購入できます。
また、ホームセンターの園芸コーナーでも立派な門松を買うことができます。
DIYで自作する人もいます。
マンションやアパート暮らしで、大きな門松を飾るスペースがなくても、シンプルに門松を飾ることはできます。
花屋さんなどで、松の枝を一本だけ買ってきて、奉書紙と水引を結んで玄関の横などに架ければ、立派な門松です。
よく目にする門松は、松よりも竹の方が目立っていますが、歳神さまの目印となるのは松です。
松を一本だけでも飾れば、歳神さまをお迎えする素敵な正月飾りになります。
正月飾りの種類②しめ縄飾り
玄関ドアや、水場(キッチン、風呂場、トイレなど)に飾るのが、しめ縄飾りです。
しめ縄飾りは、ここは神様が降り立った神聖な場所だという印になり、悪霊や災いが外から入ってくるのを防ぎます。
さまざまな材料を使って作られるしめ縄には、それぞれの材料に意味がこめられています。
・藁 古い年の悪いものを払う
・裏白 長寿を願う
・ゆずり葉 子孫繁栄を願う
・橙 家系が繁栄する
華やかなしめ縄飾りです↓
天然素材を使ったしめ縄↓
お正月のしめ縄飾りの捨て方・処分方法については、こちらの記事をごらんください。
正月飾りの種類③鏡餅
鏡餅も、お正月飾りの定番です。お正月ムードを演出してくれますね。
3種の神器のひとつに「鏡」があり、餅を丸くして3種の神器の一つである鏡に模したのが由来です。
お米などの五穀豊穣を願って、神様に捧げられたのが鏡餅です。
お正月飾りの種類④干支
干支は、動物ごとに意味があります。
・子 子孫繁栄
・丑 粘り強さ、誠実さ、商売繁盛
・寅 決断力、才覚
・卯 安全の象徴、飛躍
・辰 権力
・巳 永遠
・午 健康長寿、豊作
・未 家族安泰
・申 賢者
・酉 商売繁盛
・戌 忠義
・亥 無病息災
2023年の干支は、「卯(うさぎ)」です。
正月飾りの種類⑤獅子舞
獅子舞には、疫病や悪魔を追い払う力があるといわれています。
よく獅子舞が頭を噛む風習がありますが、人に付いている邪気を獅子舞が食べてくれるという意味があります。
壁掛けにもスタンドにもかけられるタイプの獅子舞なので、簡単にお正月らしい雰囲気になります。
昔ながらの張り子の獅子舞も、コンパクトなので気軽に飾れます↓
正月飾りの種類⑥七福神
縁起物の代表格の七福神は、7つの災いを払って7つの幸福を与えてくれる7人の神様です。
7というめでたい数字ということもあり、縁起物として扱われるようになりました。
ラッキーセブンとよく言いますが、実は日本でも昔から7は大事な数字とされてきました。
故人を思う仏教でも、四十九日などで7にまつわる日が重要とされたり、七草粥や七夕など、縁起を担ぐ場面で7という数字は大事にされています。
正月飾り⑦宝船
七福神が乗った帆掛け船に、宝物・米俵が積まれていて、帆にはおめでたい文字が書かれています。
宝船には、「新しい旅たち」「門出」の意味が込められていて、お正月のほかにも、お宮参りの着物などにもよく使われるモチーフです。
1月2日の夜に宝船の絵を枕の下において寝ると、良い初夢が見られるといいます。
正月飾りの種類⑧鶴亀
鶴亀の模様も縁起が良いといわれていて、正月によく使われます。
基本的には長寿を祈願するものですが、鶴も亀もめでたい生き物といわれています。
鶴は鳴き声が高く遠くまで届くため、尊くめでたい生き物とされ、亀は伝統の吉祥文様の亀甲の由来です。
こちらの掛け軸は、お正月の縁起物がてんこ盛りで描かれているすごく縁起の良い掛け軸です↓
正月飾りの種類⑨松竹梅
松竹梅は、縁起の良い植物として、植物そのものを飾るだけでなく、おめでたい席の飾りのモチーフとして使われてきました。
松 神を待つ、常緑で生命力が強い
竹 節目があり、折り目正しく、礼儀正しい
梅 冬の寒さに耐え、花を咲かせる
正月飾りの種類⑩南天
生き物だけでなく、草花にも縁起が良いとされるものがあります。
草花は装飾品として使いやすく、華やかにしてくれるので多くの正月飾りに使われています。
南天(なんてん)は、名前をもじって「難を転じる」という魔除けの花といわれています。
花言葉が「良い家庭」ということもあり、縁起が良くお正月にピッタリです。
正月飾りの種類⑪千両
千両(せんりょう)は、名前がお金を連想させることもあり、金運の願掛けに使われます。
赤い実をたくさん付けることから、装飾に使うと一気に華やかになります。
正月飾りの種類⑫裏白
鏡餅の下に飾られる植物の葉は「裏白」といいます。
外には良い顔をしていても、腹黒い人のことを「表裏がある」と言いますね。
裏白の葉は、表が緑ですが、裏が白っぽいことから「裏白」と呼ばれています。
裏白は、「表裏のない潔白な心」という意味があります。
正月飾りの種類⑬破魔矢、絵馬
神社からいただくお正月の飾り物・縁起物もあります。
破魔矢と絵馬は、神社ならではの縁起物です。
・破魔矢 災いを退治し、幸せに暮らせるように祈願する
・絵馬 お願いをしたり、叶ったときに奉納するもの
お正月以外の時期でもいただけますが、縁起の良さからお正月に特に人気があります。
正月飾りの種類⑭熊手
熊手は金運や幸運をかき集めるといわれています。
もともと掃除に使う熊手が縁起物とされていましたが、装飾をするようになりました。
今では七福神や鯛などで装飾をしたにぎやかなものが一般的です。
特に、千客万来を願うお店に飾られています。
まとめ
正月飾りや縁起物の種類と意味について紹介しました。
すべての飾りにはそれぞれ意味があり、古来から伝われてきた日本の文化です。
お正月には正月飾りを飾り、新年の幸運と健康を呼び寄せましょう。