2歳児に習い事は必要?子どもの自尊心を育むためにできること!

子育て

「先輩ママから、2歳から習い事に通って慣れておかないと、幼稚園での活動を楽しめなくて子どもがかわいそうだと言われたけど、実際はどうなの?」

「2歳なら習い事に行って友だち作りをした方が良いの? 」

「義母から、早く習い事をさせて子どもの才能を伸ばしてあげないともったいないと言われたけど、どうしよう?」

2歳の子がいるご家庭では、子どもの習い事について、周りからさまざまな意見を聞かされ、「2歳で本当に習い事は必要なのかな?」と不安に思っている親御さんもいるのではないでしょうか。

私自身も、2歳の子どもがおり、わが家では夫婦ともに「習い事なんてまだ先のこと」と思っていました。

でも、この頃、何人かのママ友から「子どもが習い事を始めた」と聞くようになり、「やっぱり早めに何か始めたほうがいいのかな・・・」と焦る気持ちはよくわかります。

私は元保育士で、発達理論を学び、保育園で多くのお子さんと接してきました。

そんな私の経験から言えば、時間的にも経済的にも無理をしてまで小さいうちから習い事をする必要はないと思います。

この記事では、元保育士である筆者が、2歳の発達心理を参考に、以下のような親御さんの不安にお答えしていきます。

・2歳から習い事をしないと幼稚園に入った時一人だけできなくてかわいそう?

・2歳なら習い事に行って友達作りをしないとかわいそう?

・習い事をさせて2歳児の才能を伸ばしてあげないとかわいそう?

・2歳児に習い事をさせなくても大丈夫!こんなことで子どもは伸びる

3分ほどで読める記事ですが、これを読めば、2歳児にとって一番必要なことがわかり、2歳から習い事をしなくても大丈夫と安心してもらえると思います。

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2歳から習い事をしないと幼稚園で一人だけできなくてかわいそう?

幼稚園や保育園に入ったときに、みんなの中で自分だけができないと「自分はできない人間だ」と思ってしまうのではないか。

これは多くの親御さんが心配するポイントだと思います。

たとえば、水の苦手なお子さんだと「入園前に水に慣れさせておかないと、園のプールが苦痛になってしまうかも・・・」と、慌ててスイミングに通わせる方もあるようです。

でも保育園では、水が苦手な子もいることを前提にして、まずは安心して楽しめることを目標に対応していました。

私の経験から言えば、たとえ周りと比べてプールが苦手であっても、プール活動以外にその子が力を発揮する場面はいくらでもありますから、それだけで「自分はできない人間だ」などと思うようなことはありません。

場合によっては、体調不良でプールに入れない子と一緒に室内あそびをするなどの対応をとることもありましたが、そうした子も、夏の終わる頃にはみんなとプール遊びを楽しんでいましたよ。

子どもの成長にとって何より大切なのは、自分はどんなときも親から愛されていると感じられることです。

幼稚園や保育園でする活動に遅れを取らないように慣れておくことよりも、自分を誇らしく思うことができる「自尊心」の育ちを支えてあげることの方が重要です。

自尊心とは、自分を誇らしく思う心のことを言います。

自尊心が低いと、せっかくの持って生まれた自らの才能を開花させることに臆病になってしまうので、親としては子どもの自尊心を育ててあげたいですよね。

自尊心には、「自己肯定感」と「自己有用感」という2つの感情があります。

「自己肯定感」とは、短所も含めて、ありのままの自分に存在価値があると思える感情のこと。

「自己有用感」とは、自分は有能で、周りに必要とされる存在だと思える感情のことです。

2歳児の頃には、日常のあらゆる場面で、この2つの感情を育んでいくことができます。

 

自己肯定感が高まる場面

(自分でやりたいのに上手くいかなくて泣いたり怒ったりするが、)親がどんなときも愛情を持って受け止めてくれ、失敗しても、どんな自分もまるごと愛されていると感じられる。

 

自己有用感が高まる場面

・家事手伝いなどを通して、家族に感謝され、自分を誇らしく思う。

・服の着脱など、少し難しいことをできるようになり、大人にも「できたね」と認められて、嬉しく思う。

 

もし、習い事で得られるのが「何事もそつなくできる自分」「周りよりできる自分」というような優越感だけであれば、「周りよりできない自分」は受け入れられなくなってしまうかもしれません。

優越感が高いだけだと、将来、壁にぶつかった時に心がくじけてしまいます。

「優越感」は、子どもに育みたい「自尊心」とは似て非なるものです。

どんなときも親が子どもをまるごと受け止め、認めてあげて、「自分は失敗しても愛されている」と感じさせてあげることの方がることが、2歳の子どもには大事です。

そうすれば、たとえ幼稚園や保育園に行った時に、周りと比べてできないことがあっても、親や周りの人が支えを信じ、「失敗してもOK、できないことがあっても自分は大丈夫」という自尊心が育っていくでしょう。

ですので、習い事は今でなくてももっと後からでも大丈夫です。

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2歳なら習い事に行って友達作りをしないとかわいそう?

就園前のお子さんだと、身近にお友だちがいないと寂しいかなと思うこともありますよね。

2歳児は、お友だちと関わる楽しさを感じられるようになる頃ですから、お友だちがいる空間に出かけることは、とても意味のあることです。

しかし、2歳児のお友だち作りには、習い事よりも、子育て支援センターや児童館、公園など、親とともにいる安心感の中で、子どもが自由に遊べる空間の方が適切です。

なぜなら、2歳児は、大人に自分の気持ちを受け止められ、安心できてこそ、周りにいるお友だちに目を向けていくことができるからです。

子ども同士でやりとりをして一緒に遊ぶというのはまだ難しいですが、そばにいる子のやっていることを見て「楽しそう」「ボクもやってみたい」と思えたり、大人を支えにしながら相手に関わったりします。

親と一緒にいる安心感のもとで子どもが自由に遊べるような、子育て支援センターや児童館、公園などであれば、何度か行くうちに自然とこうした友だちに関わろうとする姿が出てくるでしょう。

たとえば、私自身は、子どもと一緒に地域の子育て支援センターや児童館、公園などによく遊びに行きますが、子どもはいつも、近くで遊んでいる子のことを気にしながら遊んでいて、親子のやりとりもよく聞いています。

「おともだち、赤ちゃん(人形)だっこ~ってしてたね。〇〇ちゃんも赤ちゃんだっこ~ってする!」

など、近くにいるお友だちの姿を見て、同じようにやってみようとする姿があります。

また、こうした場所に遊びにくる親子は、同じ地域に住んでいることが多いため、予定を合わせなくても、度々会うお友だちが多くいます。

最近では、よく会うお友だちを見つけると「〇〇ちゃんいたね」と、子どもが自ら関わりに行く姿も出てきました。

でも気が向かないときには、自分の遊びをしていたり、他のお友だちと関わっていたりすることもあります。気まぐれです。

親とともに自由に選べる空間では、子どものこうした思いも受け止めてあげることができます。

一方、することが決まっている習いごとでは、子どもにとって緊張する場面も多いです。

そういった環境では、子どもは自分のことに精一杯で、周りのお友だちにまで目が向きません。

また、習い事のような小さなコミュニテイーの中でお友だちを作らなくてはと思うと、親子ともにストレスになってしまう場合もあります。

ですから、することが決められている習い事よりも、子育て支援センターや児童館、公園など、子どもが自由に遊べる空間の方が、2歳児のお友だち作りには気楽だったりします。

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2歳から習い事をさせて才能を伸ばしてあげないとかわいそう?

「この子は踊るのが好きだから、早くからバレエやダンスを習わせてあげたら才能を発揮するかもしれないのに・・・もったいない!」

周りからこんな風に言われてしまうと「親が伸びるはずの才能を潰してしまっているのかな・・・」と、不安になってしまいますよね。

でも、心配はいりません。

なぜなら、子どもはもっと広い可能性を持っているからです。

2歳児は、この世の中にどんな楽しいことがあるのかを探し始めたばかり。

2歳の子どもにとっては、習い事で今好きなことを伸ばしてあげるよりも、日常生活の中でさまざまな人やモノへの興味・関心を広げていけるような環境を用意してあげることの方が大事です。

今の「好き」は、コロコロと変わっていくものであり、今夢中になっていることがこの先もずっと好きなこととは限りません。

子どもは、もっと好きなこと、もっとおもしろいこと、もっと楽しいことに出会える、無限の可能性を持っています。

たとえば、天才と言われる将棋界の藤井聡太さんは、高校生であれほどの才能を発揮していますが、彼がはじめて将棋に出会ったのは、5歳の時に祖母がくれた入門者用の将棋だったそうです。

人生を変える、大好きになれるモノとの出会いは、いつ、何がきっかけになるか分かりませんね。

藤井さんは、幼児期にモンテッソーリ園に通っており「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という考えのもと、自分の好きなことに夢中になって遊べる環境で過ごしていたようです。

こうした幼児期の環境も、将棋の才能を発揮させた一因でしょう。

1つのことの才能を伸ばそうと習い事を始めると、親はどうしてもその活動に意識が向いてしまい、子どもが他のことに新しく興味を持ったことに気づきにくくなりがちです。

たとえば、音楽の幼児教室に通わせているけれど、本当は絵に才能があるかもしれません。

そうなると、せっかくの絵の才能を発揮することができないかもしれませんよね。

ですから、2歳では、一つ二つの習い事よりも、日常生活の中でさまざまな人やモノへの興味関心を広げられるような楽しい環境を用意してあげることの方が大切です。

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習い事でなくても、こんなことで伸びる2歳児

周りからのプレッシャーを感じてしまっても、無理して2歳から習い事をしなくても大丈夫です。

2歳児に必要なのは、親が子どもをまるごと受け止め、自尊心を育むことと、日常生活の中で子どもが主体になって様々な人やモノに関われる環境を用意してあげることです。

なにも特別なことではなく、日常の延長上のことで十分です。

お友だちのいる空間で遊ぶ

子育て支援センターや児童館、公園など、お友だちがいる空間で遊ぶ経験をしましょう。

やることを大人に示されるのではなく、子育て支援センターなら子ども自身で何をするかを選び取ることができ、お友だちと同じ空間で過ごす中でさまざまな経験ができるからです。

たとえば、2歳児なら以下のような姿が見られます。

・楽しそうな遊びをしているお友だちを見つけて、自発的に、自分もやってみようと思う

・思いが伝わったり、同じことを一緒に楽しめたりして、心が通う嬉しさを感じる

・反対に、思いが伝わらずに困って、相手にも気持ちがあることに気づいていく

2歳では、まだ子ども同士で上手にやりとりをして遊ぶことは難しいですが、お友だちがいるからこそできる経験、感じる気持ちは、他には代えられないものです。

ぜひ、お友だちのいる空間へ親子で遊びに行きましょう。

家事手伝いをする

料理、洗濯、掃除など、家事のお手伝いを経験させてみましょう。

2歳児は、イヤイヤ期とも言われますが、何でも親にしてもらっていた赤ちゃんを卒業して、意思をもった一人として認められたいという欲求が膨らむ時期です。

家事のお手伝いをし、ママやパパから「ありがとう」と喜ばれることで、自尊心の育ちにもつながります。

2歳になれば、できることは意外と沢山あるので、ぜひ家事手伝いをしてみましょう。

2歳児の料理手伝いについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

おもちゃでじっくり遊ぶ

好きなおもちゃで夢中になって遊ぶことは、集中力や認識力、運動機能の発達など、子どもの力を伸ばします。

2歳児では、ひも通しやボタンはめ、型はめパズルなどがオススメ。

とくに優良な玩具メーカーの知育玩具は、子どもが自発的にやってみようと思え、力を伸ばせるような工夫や細かな配慮がなされていますので、ぜひ触れてみてほしいものです。

こうしたおもちゃを手軽にレンタルできるサービスについては、こちらの記事で紹介しています。

外遊びを楽しむ

公園に行くと、滑り台、ブランコ、石拾い、砂遊び・・・もういつまでやるのと思うくらい、子どもは繰り返しますよね。

大人からすれば、一見無駄に思えるような繰り返しの中に、子どもの意思と思考が詰まっています。

できることなら、自然の多い場所へ出かけて、親子でさまざまなモノに出会いましょう。

文化に触れる

文化と言っても難しいことではなく、歌や絵本を楽しんだり、季節の行事をとり入れたりするなど、日常のなかでできることは沢山あります。

親子で一緒に文化に触れる経験は、子どもの心を豊かに育みます。

たまには、親子で小さい子向けの観劇会に出かけてみるのも、生の舞台でしか味わえない感動があり、楽しいものですよ。

以上、5つの提案をしました。

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親の心のゆとりが一番大事

ところで、私も経験しているのでよくわかりますが、2歳児って、扱いがめんどくさいなあ~と感じることも多いですよね。

失敗したなあ、ついイラッとしてしまったなあ、ということだって、私もしばしばあります。

でも、子どもの思いを聞き、受け止める努力をし、いつも大好きだよと伝えてあげることで、子どもはちゃんと親に愛されていると感じていけると思っています。

子どもを受け止めるには、親の心のゆとりが何より大事。

しんどいときには家族や子育て支援サービスなどに頼って、親の息抜きも大事にしましょう!

自己主張を始めた2歳の子どもに向き合うのは、本当にエネルギーを使います.

なので、習い事にお金を使うよりも、親の心のゆとりを作るために、ベビーシッター・家事代行サービス・知育おもちゃのサブスクなど、親の心のゆとりを生み出すことにお金を使うのは、賢い選択の一つです。

これは決して、手抜きや贅沢などではありません。

周りからプレッシャーを受けることがあるかもしれませんが、自分の子育てに必要だと思うことに、自信をもって時間とお金を使いましょう!

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最後に/まとめ

・2歳児にとって大切なのは、親が子どもをまるごと受け止め、自尊心を育むことと、日常生活の中で子どもが主体になって様々な人やモノに関われる環境を用意してあげることです。

・2歳から習い事をしないと幼稚園に入った時一人だけできなくてかわいそう?

→先回りしてできるようにしておく必要はなく、2歳では、親にまるごと愛されていると感じられることが大切です。

たとえ壁にぶつかっても乗りこえていけるような「自尊心」を育てましょう。

・2歳なら習い事に行って友達作りをしないとかわいそう?

→2歳児は、親の支えがあって安心できてこそ、周りの友だちに目が向きます。

友だち作りには、子育て支援センターや児童館、公園などの、親とともに子どもが自由に遊べる空間の方が適切です。

・習い事をさせて2歳児の才能を伸ばしてあげないとかわいそう?

→2歳児の好きなことは、変化します。早くから1つに絞らず、無限の可能性を信じて、さまざまな人やモノに興味をもてるような環境を用意しましょう。

・2歳児に習い事をさせなくても大丈夫!こんなことで子どもは伸びる

2歳の子どもには、以下のような活動を通して自尊心の育ちを支えたり、興味関心を広げたりすることができ、子どもは自ら力を伸ばしていきます。

お友だちのいる空間で遊ぶ

家事手伝いをする

おもちゃでじっくり遊ぶ

外遊びを楽しむ

文化に触れる

2歳の子どもが力を発揮するには、親がそばで受け止めてくれる安心感が不可欠です。

ママ・パパと子どもにとって何が本当に必要なのかを考える参考にしていただければ幸いです。

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