2歳の子どもでもできる料理手伝いのコツと、気をつけなければいけないポイントをご紹介します。
「2歳の子どもが料理の手伝いをしたがるけど、どうしよう?」
「台所育児という言葉を聞くけど、2歳児にはどんなことがしてもらえばいいの?」
2歳児は、何でも大人の真似をしてやってみたいという意欲が膨らむ頃。
毎日ママがやっている「料理」は、子どもがやってみたいと興味をもつことの1つ。
なるべく子どもにやらせてあげたいと思っても、安全面や後片付けのことを考えると、躊躇してしまいますよね。
この記事では、元保育士で2歳児のママである私が、コツと気を付けるポイントの他に、実際にどんなお手伝いを子どもにしてもらっているかの体験談をご紹介します。
この記事を読めば、お子さんとの台所育児を「なんかできそう」と思ってもらえるでしょう。
2歳児に料理の手伝いをしてもらうのって危なくないの?
2歳児に料理の手伝いをさせるのは、安全面が一番心配ですよね。
でも、安全ポイントを押さえれば楽しく取り組むことができます。
2歳とひと括りに言っても、月齢や個人差でできることはかなり違ってきますので、お子さんの様子を見て、やっても大丈夫そうか、まだ避けたほうが良いか、考えてみてくださいね。
2歳児の料理手伝いで、安全面から避けたいポイントは以下の3つ。
刃物
包丁のように、難しいことに挑戦する方が価値をもつように思いがちですが、2歳児の料理手伝いでは、自分でやりきった満足感の方が大切です。
「危ない!」「気をつけて!」「もっとこうするんだよ」と口出しが多くなってしまえば、子どもの満足感は得られません。
口出しが多くなってしまいそうであれば、刃物を扱うのはもう少し先にすることをおすすめします。
生の肉や魚
お子さんが食材に触った手を口に運びそうであれば、生の肉や魚を扱う料理は避けたほうが良いでしょう。
生の肉や魚は、細菌などが付着していて食中毒の原因にもなるからです。
しかし、食材に触れる体験として、生の魚に触れさせてみたいという場合もあると思います。
そういった場合には、長い時間触るのではなく、短時間で、触り終えたらすぐに石鹸で手を洗うようにしましょう。
アレルゲン物質
アレルギーの体質を持っている子は、食物アレルギーにも注意が必要です。
加熱されていれば大丈夫なものでも、生だとアレルギー反応が出てしまう場合があるためです。
2歳になると「まだ食べないでね」と、言葉で伝えればわかるようになってきますが、不意に口に入れるかもしれないという予測のもとで食材を選ぶほうが安心です。
これら3つのことに気をつければ、2歳でもできるお料理の手伝いはいろいろあります!
2歳児に料理の手伝いをさせるコツ
2歳児は、何でも大人のマネをしてやってみたい時期です。
でも、本人はマネしてできているつもりで、危ないことをしたり、食材をぐちゃぐちゃにしたりすることもあります。
また、思ったとおりにできるほどの器用さがなくて、悲しくなり、ひっくり返って泣きわめくこともあります。
ここでは、そんな2歳児さんの持っている力をいい方向に引き出して、楽しく料理に取り組めるようにするためのコツをお伝えします!
料理をするときのコツは以下の4つ。
- まずは簡単にできそうなことから!自分でやりきった満足感を大切に
- 「まだできないから」はNG!あなたを頼りにしているよというメッセージを
- 失敗しても「~~すれば大丈夫!」とポジティブに
- イメージする力を上手に引き出して
詳しく見ていきましょう。
まずは簡単なことから!自分でやりきった満足感を大切に
「子どもがやりたがったら何でもやらせてあげたほうが良いのかな?」
「難しいことを経験させてあげたほうが子どもは満足するかな?」
こう考えるママもいるかと思いますが、まずは簡単にやりきれることから始めてみることをおすすめします!
2歳の子どもには、難しいことをやる達成感よりも「自分でできた」という満足感の方が大切だからです。
ママも子どもも慣れてきたら徐々にステップアップして、色々なことに挑戦してみましょう。
「まだできないから」はNG!頼りにしているというメッセージを
もし難しそうなお手伝いの要求があったとき「これは、まだ〇〇ちゃんにはできないから、ママがやるね」は、NGワードです!
自我が膨らむ2歳児は、自分がどれほど認められているかにとても敏感で、赤ちゃん扱いされるのは嫌なのです。
させづらいお手伝いの要求があったときには「触ると熱いから」「痛い痛いになっちゃうから」などと、わかりやすい理由を伝えると良いでしょう。
そして「お手伝いしてくれるの、嬉しいなあ~!じゃあ、〇〇ちゃんには、~~をやってもらってもいい?」と別のお手伝いを頼んでみましょう。
希望通りのことでなくても、案外はりきって手伝ってくれることがありますよ。
子どもも最後まで気持ちよく、ママも負担を少なくして、日々の中で気軽に取り組めるようになっていくといいですね。
失敗しても「~~すれば大丈夫!」とポジティブに
卵を床に落とした。牛乳をぶちまけた。
親としては内心、うわあ~~やめて・・・と思ってしまいますよね。
でも、そんなときもポジティブに声を掛けてあげましょう。
なぜなら、2歳にもなると、失敗してしまったということは自分でも分かっていて、すでに悲しい気持ちになっているからです。
もし失敗してしまったときは「布巾で拭いたら大丈夫だからね~、今度はそうっと持とうね」
などと、安心して次に活かせるような、ポジティブな言葉を伝えてあげられるといいですね。
イメージする力を上手に引き出して
イメージする力が膨らんでくるのも2歳の特徴です。
パンの発酵を待つとき、食材を一旦冷蔵庫にしまうときなど「まだやりたい!!」と主張することがあるかもしれません。
そんなとき、イメージする力を上手に引き出すことで解決できる場合があります。
例えば「一回ねんねさせてあげようね」と伝えてあげると、パンがねんねする(休む)というイメージをもち、納得して待つことができるでしょう。
ママも発想を柔軟に、子どもと一緒に楽しんでいけるといいですね。
これらのポイントを押さえて、子どもの力をいい方向に引き出すことで、イヤイヤ期の2歳児さんでも楽しく料理ができますよ。
2歳児に料理の手伝いをおすすめする理由
2歳児に料理の手伝いをさせるか悩んでいるなら、ぜひやってみましょう!
なぜなら以下の3つの効果が期待できるからです。
- 好きな食べ物が増える
- 手先が器用になる
- 家族に喜ばれて、自尊心が膨らむ
詳しく見ていきましょう。
好きな食べ物が増える
2歳児は、まだ好き嫌いが定まっていません。
なんとなくイヤだと思っている食材も、ひょんなことで食べられるようになるものです。
そのきっかけになるのが料理の手伝い。
期待しすぎるのも良くないですが、作る工程に関わることで食材への興味がわき、いつの間にか好きなものになっていく場合があります。
手先が器用になる
料理の手伝いをすることで、まぜる、ちぎる、こねるなど、様々な動きを経験できます。
ちぎることは紙でもできますが、キャベツのように固いところや柔らかいところがあることに気づけるのは、料理手伝いだからこそできる経験です。
色形、香り、音、味、触感と五感を使い、楽しみながら手先の感覚を養うことができます。
家族に喜ばれて、自尊心が膨らむ
2歳児は、イヤイヤ期とも言われますが、何でも親にしてもらっていた赤ちゃんを卒業して、意思をもった一人として認められたいという欲求が膨らむ時期です。
料理のお手伝いをし、大好きなママやパパから「ありがとう」と喜ばれることで、子どもは心が満たされ「自分は素敵な存在なんだ」と思えるようになっていくでしょう。
2歳の子どもにとって、メリットの多い料理のお手伝い。ぜひできるところから取り組んでみてください。
2歳児の台所育児はこんな感じ!
2歳児で料理のお手伝いは、実際にはどんなことをやっているのでしょうか。
ここでは、2歳児の台所育児の様子を紹介します。
お子さんにできそうなことから真似してみてくださいね。
- まぜまぜして、パンケーキづくり
2歳さんと作ったパンケーキ🥞😋
床とお子が小麦粉だらけになりながらも楽しかった😆#台所育児 pic.twitter.com/c6vP6Db8c9— Nono (@nonochang_) October 10, 2020
小麦粉だらけになりながらも、というところが2歳児さんらしいですね。
それすら楽しめるママの余裕が素敵です。
ボウルと泡立て器で混ぜるのは、ぐるぐる回す動きと、粉が水分と混ざってドロドロになっていく変化が楽しいお手伝いです。
牛乳パックを持って注ぐのは難しいですが、写真にあるような取っ手付きの計量カップを使えば、注ぎ入れることも子どもが自分でやれますね!
- ピーラーと包丁に挑戦!きゅうり漬け
サンタさんにもらった調理器具セットを使ってきゅうりのころころ漬けを作りました!初めてのピーラー、初めての包丁、初めての味付け!真剣に取り組んでいました。今はフライ返しを片手にホットケーキを作ると張り切っています。 #2歳 #台所育児 #初めての料理 #クリスマスプレゼント pic.twitter.com/QYo34BD9nw
— かしわぎみさき (@misaki_sensei) December 26, 2020
ピーラーと包丁デビューの様子。とても真剣な様子が伝わってきます。
きゅうりを左手でしっかり支えて、上手にピーラーを使っていますね。
細長くて、滑りにくいきゅうりは、包丁デビューに丁度いい食材といえます。
次は、わが家で2歳児と楽しんでいる料理をご紹介します。
ごますりして、ごま和えやふりかけに
すり鉢とすりこ木を使って「ごまゴリゴリ」は、子どもの大好きなお手伝いです。
ゴリゴリする感触、擦れると広がるごまの香りや音。五感を働かせて取り組むことができるので、保育士目線でもオススメです。
いい味がするので、ちょっと擦っては舐めています(笑)。
米とぎ
米と水をボウルに入れて、わしゃわしゃと混ぜたり、米をすくって両手でこすり合わせたりしています。
夏は冷たい水が気持ちよくて「そろそろキレイになった?」と聞いても「まだまだ~」と言ってしばらくやっています。
最後に炊飯器のスイッチを押すことも楽しみの1つです。
梅のヘタ取り
梅しごとも、2歳児と一緒に楽しむことができますよ。
ヘタを爪楊枝などでつついて取るのは、コツをつかめば楽しい作業です。
力加減が難しくて傷をつけてしまった梅は、梅干しを作るのには向きませんが、梅シロップや梅ジャムなら作ることができます。
最後に/まとめ
・2歳児の料理手伝いで避けたいポイントは
①刃物
②生の肉や魚
③アレルゲン物質 の3つ。
2歳児では、好奇心や自我の育ちから、大人が注意したことのすべての注意を聞き入れられるわけではありません。
また、イメージした通りに手を動かす調整力も未熟です。
お子さんの様子に合わせて、できそうなことから取り組みましょう。
・2歳児と楽しく料理をするコツは以下の4つ
- まずは簡単にできそうなことから!自分でやりきった満足感を大切に
- 「まだできないから」はNG!あなたを頼りにしているよというメッセージを
- 失敗しても「~~すれば大丈夫!」とポジティブに
- イメージする力を上手に引き出して
2歳児のもつ力をいい方向に引き出して、親子で楽しく取り組めるといいですね。
・2歳児に料理の手伝いをおすすめする理由
- 好きな食べ物が増える
- 手先が器用になる
- 家族に喜ばれて、自尊心が膨らむ
心と体の育ちが期待でき、メリットが大きいです。
・2歳児の台所育児の紹介。
混ぜる、切る、ごますり、米とぎ、梅のヘタ取りの様子。
2歳児でできる料理の手伝いは、意外と沢山あります。
お子さんにできそうな簡単なことから、ぜひ取り組んでみてくださいね。