「今日はどうしても帰れない仕事があるのに、どうしよう!」
「今から帰っても2時間後…大丈夫かな」
小さなお子さんがいる共働き家庭では、急な保育園からのお迎えコールに頭を悩ませた経験は多くの方がお持ちでしょう。
この記事では、元保育士の筆者が
・保育園からお迎えコールがあったときに何時間で行くべきか
・お熱でもすぐに迎えに行かれないときの伝え方
・保育園に自分で迎えには行かれないときの頼み先
・保育園のお迎えコールに備えて職場で準備しておきたいこと
この内容を、保育園の実際を交えてお伝えします。
3分くらいで読める記事ですが、書いてあることを実践すれば、保育園からの急なお迎えコールにも、慌てず対処できるようになりますよ!
保育園でお熱!お迎えまでの所要時間は?
保育園からのお迎えコールがあったとき、何時間以内で行かなければならないという明確な規定はありません。
なぜならば、勤務地や仕事の種類などによって、一律に何時間以内とは言えないからです。
私の勤務していた園は駅の近くにあり、電車で1時間以上かかる場所へ通勤している方が多くいらっしゃいました。
ですから、お子さんの発熱でお迎えコールをすると、「今すぐ切り上げますが、2時間後になってしまいます!」といったお返事も珍しくはありませんでした。
また、お仕事の種類や時間帯によっては、誰かにお迎えを頼む調整をする電話をする時間すら取りづらいこともあるでしょう。
なんとか家族と相談し都合をつけてくれ、2時間後におばあちゃんが迎えにきてくれたこともあります。
保育園側も、すぐに都合をつけられるとは限らないことは理解してお迎えコールをしており、お迎えまでの間は責任をもって預かっています。
何時間以内でないといけないということはありませんが、それでも、お子さんと園の子どもたちのため、できるだけ早くお迎えに行きましょう。
子どもが熱でお迎えを待っている保育園の様子
お迎えを待っている保育園での子どもの様子や保育士の様子もお伝えします。
保育園のお迎えコールは基本的に37.5度を超えた場合にされます。
お迎えコールの際に早くお迎えが必要な理由は、以下の点からです。
保育園では医療措置はできない。
保育園では、医療措置はできません。子どもが高熱で苦しそうにしていても、解熱剤を与えることはできないのです。
ですから、病院に連れて行って適切な処置をうけてもらえるよう、早めに保護者へお迎えに来てもらいたいのです。
集団生活の場なので、他の園児や職員への感染予防のため。
感染症が疑われる場合、もちろん園内でも隔離やマスクでの対応などしますが、完全に感染リスクを防ぐことはできません。
クラスでの集団感染にでもなれば、しばらく休園になってしまう可能性もあります。
園児に付きっきりになると他の業務に支障が出る。
お迎えを待つ間のお子さんは、静かな保育室や事務室で寝かせている場合が多いです。
お子さん自身も、体調が悪く不安な気持ちでいますから、付きっきりでいてあげたいところですが、普段でも忙しい保育園ですので、付きっ切りと言う訳にもいきません。
こうした理由から、保育園では37.5度を超える発熱の際には、早めのお迎えが必要になります。
「37.5度なんて、子どもは平熱も高いし、動いていたらすぐに超えてしまうよ」
そんな風に思われるかもしれませんが、保育士ももちろん理解の上で対応しています。
私の勤務していた園でも、明らかに体調が悪そうな場合はすぐに連絡しますが、そうでない場合、しばらく様子をみてから再度検温し、それでも高ければ電話をするといった対応をしていました。
毎日朝から夕まで、時には残業や出張をして、忙しくお仕事をされているママ・パパの事情は承知しているがゆえ、保育士も心苦しく思いながら、お迎えの電話をしているのです。
すぐに保育園にお迎えに行かれない時の伝え方
突然のお迎えコールがあると、あれこれ考えて焦ってしまいますよね。
まずは子どもの体調と様子を聞き、明らかな緊急事態でない場合は、保護者の状況を伝え、落ち着いて対応しましょう。
「すぐにはお迎えに行かれない!」
そう思っても、まずは子どもの体調と様子を落ち着いて聞きましょう。
明らかに緊急を要する場合は別ですが、そうでない場合なら、まずは今の状況を伝えるといいです。
「夫(家族)と調整して、また連絡します。」
「職場と調整して、また連絡します。今すぐ帰れても2時間はかかるのですが、それまでお願いすることはできますか?」
その後30分以内くらいには再度連絡をし、どう対応するかを伝えましょう。
熱で保育園お迎えの時に頼れる頼み先をつくっておく
どうしても家族ではお迎えに行かれない場合もあると思います。
そういった場合にサポートしてくれる頼み先があると安心ですね。
ファミリー・サポート・センターや、ベビーシッターサービス、病児保育では、病気の子どもをお迎えに行って看護してくれるサポートがあります。
どうしてもの場合に利用できるよう、事前に確認しておきましょう。
ファミリー・サポート・センタ-
ファミリー・サポート・センター事業とは
「乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童の預かりの援助を受けることを希望する者と当該援助を行うことを希望する者との相互援助活動に関する連絡、調整を行うもの」です。
つまり、地域の中で、「子育てを手伝ってほしい人」と、「子育てを手伝いたい人」をつなぐ支援をしてくれるものです。
「手伝いたい人」すなわち「援助会員」は、保育資格などの有無を問いません。
上記のHPには、相互援助の例として、「病児・病後児の預かり、早朝・夜間等の緊急預かり対応」も挙げられています。
地域によって対応が異なる場合がありますので、お住まいの地域のファミリー・サポート・センターに問い合わせてみてください。
また、利用の際には、事前の会員登録と、援助会員との事前の顔合わせが必要になります。
急な連絡の場合には、援助会員の方の都合がつかないこともありますので、いざというときのために複数人の援助会員と顔合わせをしておく必要があります。
利用を考えるのであれば、買物などの外出の際などちょっとしたときに、何度か利用しておき、お熱での急なお迎え時に利用したい旨を、事前に伝えておくと良いですね。
ベビーシッター
ベビーシッターは、保育士や幼稚園教諭などの資格を有する場合が多いようです。
数多くのベビーシッターサービスがあり、事前申し込みの要不要、サービス内容、利用金額など、様々です。
中には、病気の際に迎えから受診、投薬までお任せできるところもあるようですので、お近くで頼めるベビーシッターのHPなどを確認してみてくださいね。
病児保育
病児保育とは
「児童が病中又は病気の回復期にあって集団保育が困難な期間、保育所・医療機関等に付設された専用スペース等において保育及び看護ケアを行うという保育サービス」です。
詳しくはこちら >> 東京都福祉保育局HP
病児保育では、提携の医療機関があり、医師が回診してくれるというのが大きなメリットです。
「病児・病後児保育事業」とまとめられることが多いですが、「病児保育」は、病気の子どもを預かってもらえ、「病後児保育」は病気の回復期の子どもを預かってもらえます。
自治体や施設によっては「病後児保育」しか実施していないところもあるので注意が必要です。
また、一部の病児保育施設では、熱での急なお迎えにも対応してくれるようですが、そういったサービスはまだ数少ないのが現状です。
もしお住まいの地域で利用ができるのであれば、安心は大きいはずです。お住まいの自治体の病児保育事業を一度調べてみてくださいね。
お熱でお迎えに備えて、職場で準備しておきたいこと
保育園からのお迎えコールがあると、仕方のないこととはわかっていても、職場には申し訳ない思いでいっぱいになってしまいますよね。
なるべくスムーズにお迎えに活けるよう、あらかじめ準備しておきたいポイントをご紹介します!
いつでも引き継げるよう可視化しておく。
朝出勤したら、一日のタスクをリストなどに可視化しておくと、急に早退することになっても、「急な要件はこれだけ!」とすぐにわかります。
同僚に頼まなければならない内容が一目瞭然。さっと引継ぎをでき、取りこぼして迷惑をかけることがなくなります。
また、自分にしかわからない仕事をかかえている場合、「引継ぎマニュアル」を作っておき、急な時にはそれを預けて同僚にお願いすると良いでしょう。
頼み方に配慮する。
子どもの体調不良は仕方のないことですが、「子どもがいるから当然!」といった態度では、周りもいい気はしませんよね。頼むときには、丁寧にお願いしましょう。
子育てママが利用できる職場の制度と利用方法を確認しておく。
職場の「子の看護休暇」「早退」「在宅ワークへの切り替え」など、必要な制度や利用方法を確認しておきましょう。
用紙の提出が必要な場合には、書けるところは書きこんで持っておくと、いざというときに役立つでしょう。
事後フォローも忘れずに
早退した次の日には、「昨日はありがとうございました」という気持ちを忘れずに伝えましょう。お菓子などを持っていっても良いかもしれません。
最後に/まとめ
・お迎えコールの基準は37.5度。できるだけ早めに迎えに行く必要があります。
・すぐに迎えに行かれないときは、「家族(職場)と調整してまた連絡します」と伝え、落ち着いて対応しましょう。
・どうしてもお迎えに行かれないときのための頼み先を作っておくと気持ちが楽になります。ファミリー・サポート・センターやベビーシッター、病児保育などがあります。
・急なお迎えコールでも、スムーズに出られるよう、日頃から準備しておきましょう。
子どもが成長していけば、だんだんとお迎えコールも少なくなっていきます。
子育ての一過程なので、協力者を増やす知恵と工夫で乗り切りましょう!