「どうやら保育園で給食を食べていないらしい…どうして?」
「給食なしで、栄養が足りているのか心配!」
「親はどう対応したらいいの?」
お子さんが保育園で給食を食べていないと、心配になりますよね。
この記事では、元保育士の筆者が、お子さんが給食を食べない悩みを解決します。
この記事では、以下の4つのポイントを私が実際に見た保育園の子どもたちの姿を交えてお伝えします。
・3歳の子どもが給食を食べない原因は?
・給食を食べない3歳の子どもへ親ができること
・3歳で給食を食べられなくてもだんだんと食べられるようになる
・給食を食べられない3歳の子に気をつけたいこと
3分ほどで読める記事ですが、これを読めば、子どもが給食を食べない原因がわかり、対処法を見つけることができるはずです。
3歳の子どもが給食を食べない原因は?
「なんで給食を食べられないの?」
「3歳の子どもならではの理由があるの?」
おいしそうな保育園の給食、なぜ食べないのか疑問に思いますよね。
3歳の子どもが給食を食べない原因は、以下の3つが考えられます。
- 味覚が発達途中であるため
- 家庭と保育園の味付けや食材の大きさが違うため
- 家庭と保育園の食事環境が違うため
以下に詳しく解説します
食べられないものが給食で出てくるため
食べられないものが給食で出てくるが、全部食べなければならないというプレッシャーによって食べられなくなってしまっている場合があります。
子どもには本能的に嫌いな味がある、ということがわかっています。
子どもたちの苦手なものといえば、ピーマンや小松菜など、苦味の強いものが多いですよね。
苦味というのは、本能的に「毒」を見分けるための味覚です。
ですから、まだ食経験の少ない3歳の子どもたちは、「苦いもの=食べないほうがいいもの」と、本能的に判断しています。
また、トマトや酢の物などの、酸味の強いものも苦手な子どもが多いですよね。
酸味は「腐敗したもの」を見分けるための味覚です。
ですから、「酸っぱいもの=食べないほうがいいもの」と、3歳の子どもは本能的に判断するわけです。
これらは経験によってだんだんと食べられるようになっていくものであり、3歳の子どもが食べられないものがあるのは仕方のないことなのです。
このように味覚の未発達のために食べられないものがあり、給食を食べられない原因になっている場合があります。
家庭と保育園の味付けや食材の大きさが違うため
保育園の味付けは、薄味です。
家庭で濃い味付けに慣れていると、保育園の薄味をおいしいと思えないかもしれません。
また、保育園によっては、よく噛んで食べられるように具材を大きめに切ったり、ひと口をかじり取る経験ができるようにハンバーグなどを大きめにしたりしています。
家庭で細かめに切った具材や、一口大の料理に慣れていると、食べにくさを感じるかもしれません。
保育園の給食を実際に食べてみると、大人にとっては驚くほど薄味です。
ですから、お子さんは、家庭と給食の味や大きさの違いに食べにくさを感じている場合があります。
家庭と保育園の食事環境が違うため
保育園では、家庭と違いクラスの子たちと一緒にみんなで食事をします。
それによって
・周りの声が気になってしまう
・保育士に声をかけられて緊張してしまう
・食べ終わりの時間が決まっていてゆっくり食べられない
といったことなどが食べられない理由として考えられます。
お子さんはこうした環境の違いから、給食を食べられないのかもしれません。
給食を食べない3歳の子どもへの対処方法
「給食を食べられない子には、家庭でどう対応したらいいの?」
「保育園にお願いした方がいいこともある?」
給食が食べられない子どもに、大人がしてあげられることはないかと悩みますよね。
給食が食べられない子どもには、まずは安心して給食を食べられるようにすることが大切です。
給食を食べられない子には、まずは安心して給食を食べられるようにすることが大切です。
安心感があることで、食べてみようという気持ちが湧いてくるからです。
以下に、安心して食べられるようにするための対応のしかたをお伝えします。
お子さんに、給食の何が嫌なのか聞いてみる。
給食をなぜ食べられないのか、まずはお子さんに嫌な理由を聞いてみましょう。
もしかすると、「家とスプーンが違ったから」「先生の隣で食べたかったから」などと思いがけない答えが返ってきて、「なんだ、そんなこと」とあっさり解決する可能性もあります。
また、保育士に給食時のお子さんの様子を聞いて、状況を把握しましょう。
子どもが安心できる対応策を、一緒に考える
例えば「毎日ピーマンが入っているから」という理由であれば、「ピーマンは残してもいいから、他の給食は食べてみたら?」と提案する。
例えば「先生が見るから恥ずかしい」という理由であれば、「先生に、『給食のとき恥ずかしくなっちゃうから見ないでください』って連絡帳にかいておく?」と提案する。
このように、子ども自身が「これなら安心できる」と思える対応策を一緒に見つけましょう。
いい対応策が思いつかないときは、家で話したことをそのまま保育士に相談してみるのも良いですね。
家で話したことを保育士に伝え、同じ思いで見守ってもらえるようにお願いする。
できれば、お子さんのいる前で、家でお子さんと話したことを保育士に伝え、保育園の都合上対応が可能かどうか確認するといいですね。
もし対応が不可能であれば、保育士からお子さんに新しい提案をしてもらえるでしょう。
このようにして、まずは安心して食べられるようにしていきましょう。
でも、将来的には、保育園のみんなの中でさまざまな食材をおいしく食べられるようになってほしいですよね。
苦手なものが多い子でも、経験によって、おいしいと感じられるものは増えていきます。
かといって、無理に食べさせるのは逆効果。
家庭では、ママ・パパがさまざまな食材をおいしそうに食べる姿を見せることを意識してみてください。
大好きなママ・パパがおいしそうに食べる姿を見ることによって、食材への興味も湧いてくるでしょう。
また、一緒に買い物に行く、野菜を育ててみる、一緒に料理をするなど、食に関わる経験をすることも食材への興味に繋がります。
「今日食べなくても、いつか食べるかもしれない」と、長い目で、ぜひ続けてみてくださいね。
3歳で給食を食べられなくても食べられるようになる
「保育園で給食を食べられないと、小学校でも給食を食べられないのでは…」
今、給食を食べられていないと、この先もずっと続くのではないかと思って心配になりますよね。
でも、年中・年長になって食べられるようになっていく子は本当に多くいます。
ここでは、私が見た子どもたちの姿をご紹介します。
苦手なものが多いSくんの例
1歳児の頃、野菜全般が苦手であまり食べられなかったSくん。
クッキングや栽培など、食に関する楽しい取り組みをするたびに、さまざまな食材に興味を持てるようになっていきました。
そして、苦手なものを食べられたときの「すごい!食べられちゃったね!」といった褒め言葉によって、どんどん自信をつけ、食べられるものが増えていきました。
3歳では、苦手なものはまだ多かったものの、5歳になる頃には、苦手なものはほとんどなくなりました。
3歳から入園したRちゃんの例
3歳から入園したRちゃんは、給食のときに急に食べなくなり、泣き出してしまう姿がありました。
今日は大丈夫かな?と気になって声をかけると、やっぱり泣き出してしまうのです。
ある日、お母さんと保育士との会話の中でわかったのが、「家ではご飯に必ずふりかけをかけていた」ということ。
Rちゃんは白いご飯を食べ慣れておらず、しかし、残さず食べきらないといけないと思い、どうしようもなく泣くことで表現していたのでした。
そのことがわかり、白いご飯を食べる前に減らすようにすると、Sちゃんが泣くことはなくなり、最後まで楽しく食べられるようになりました。
年中になる頃には、白いご飯にも慣れ、ご飯を減らさなくても全部食べられるようになりました。
このように、子どもそれぞれに給食を食べられない理由があり、安心して食べられるようにすることや食経験を積むことによって、だんだんと食べられるようになっていきます。
給食を食べられない3歳の子に気を付けたいこと
「給食を食べられない子に気をつけたほうがいいことって何?」
それは、お菓子やジュースの与えすぎです。
ここでは、お菓子やジュースの与えすぎが良くない理由や代替策を見ていきましょう!
給食を食べられない3歳の子に気をつけてほしいのが、お菓子やジュースの与えすぎです。
なぜならば、お菓子やジュースを与えすぎると、食事の時間にお腹が空くような生活リズムが作れなくなってしまうからです。
例えば、給食を食べられず、15時に保育園でおやつを食べ、さらにお迎え後の17時にお菓子を食べてしまうと、18時や19時の夕飯にはお腹が空かなくなってしまいます。
たしかに、給食を食べられないと、夕飯までお腹が空かないか心配になってしまいますよね。
どうしてもお腹が空いているようであれば、野菜スティックや、煮干しやスルメといった噛みごたえのあるものを渡してみるなど、夕飯に影響が出ないよう工夫してみてください。
うちの子も、お腹が空いているときであれば、食事では食べないものもよく食べますよ。
しかし、お菓子やジュースを与えすぎると、カロリーが多すぎてしまい、食事の時間にお腹の空くリズムが作れません。
ですから、お菓子やジュースの与えすぎには注意しましょう。
最後に/まとめ
子どもが給食を食べられない原因は、以下の3つの理由が考えられます。
- 味覚が発達途中であるため
- 家庭と保育園の味付けや食材の大きさが違うため
- 家庭と保育園の食事環境が違うため
給食が食べられない子どもには、まずは安心して食べられるようにしましょう。
家庭では、ママ・パパがさまざまな食材をおいしそうに食べる姿を見せましょう。
3歳で食べられなくても、年中・年長になって、だんだんと食べられるようになります。
給食を食べずにお腹が空いても、お菓子やジュースの与えすぎには注意しましょう。
3歳の子どもが食べられないものがあるのは仕方のないことです。
無理強いはせず、まずはお子さんに何が嫌なのか、困っているのかを聞いてみてくださいね。
長い目で見守ることが肝心です。